皆さん、こんにちは。
さいたま市・JR土呂駅より徒歩9分の【やすだ歯科クリニック】です。

「親知らず」というと「抜かないといけない歯」というイメージがありませんか？
確かに、他の歯に比べて、親知らずは抜くことが多い歯ですが、決して「絶対に抜かなくてはいけない」というわけではありません。
この違いはどこにあるのでしょう？

親知らずは一番奥に生えてくるため、歯磨きがしづらい歯です。
また、最後に遅れて生えてくるため、スペースが足りずに斜めに生えてしまうことも。
そうするとさらに磨きにくくなってしまい、むし歯や歯周病になりやすいため、抜歯が必要になるケースが多いのです。

先に述べたように、親知らずは生えてくるスペースが限られているため、まっすぐに生えて来ないことが多いです。
斜めに生えてくると、他の歯や歯ぐき、顎の骨を圧迫してしまうため、むし歯にならなくても痛みが生じることが多くなります。
そのため、たとえむし歯ではなくても、抜歯しないと痛みが治まらないことがあります。

親知らずだけでなく、隣の圧迫された歯も磨きづらくなったり、親知らずのむし歯が感染したりして、やはりむし歯になりやすくなります。

また、親知らずが斜めに生えることで歯周ポケットが深くなり、そこに細菌が溜まって「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」を起こすことも。
智歯周囲炎になると、歯ぐきや顎の骨が炎症を起こして痛みが出ることがあります。

さらに、むし歯や歯周病、智歯周囲炎による炎症が広がって、「顎骨骨膜炎（がっこつこつまくえん）」や「化膿性リンパ節炎」などを引き起こすことも。
これらの病気は抗生物質で炎症を抑える治療を行いますが、親知らずを抜かない限りは再発の可能性があります。

親知らずがまっすぐ生えてきている、しっかり歯磨きができている、痛みがない、周囲の歯に影響がない、という場合は、親知らずを抜く必要がありません。

ですが、斜めや横に生えている場合は、痛みが出たり、むし歯や歯周病になりやすかったり、周囲の歯や歯ぐきなどに悪影響与えていたりすることが多いため、抜歯を検討します。
中には「親知らずが生えてこない」と思っていたら、歯ぐきに埋もれた状態の場合もあり、周囲の歯や骨などを圧迫していることもあります。
ちなみに、親知らずが4本生えてこない方もいらっしゃいますが、生えてこないことに問題ありません。

このように、すでに痛みがある場合はともかく、とくに症状がなくても、後に問題が起きることも多いのが親知らずです。
そのため、一度親知らずの状態を歯科医院で確認してもらい、抜いたほうがいいか、そのままにしていいかを相談してみましょう。